野球に関するいくつかのルールは何ですか
バカとのんきと召喚獣 - 番外編:覚えよう野球のルール!~スクイズしてください!~
問1.次の野球用語について説明しなさい。『タッチアップ』
坂本雄二の答え
『フライがあがった時に走者がその打球の行方を見守ること。捕球後は進塁することができる』
教師のコメント
その通りです。
姫路瑞希の答え
『痴漢をする』
教師のコメント
野球のタッチアップを知らないのに英語の touch up のそんな訳まで知っているとは、流石に先生も驚きました。英語を訳す上では正解ですが、野球用語としては間違いです。
土屋康太の答え
『フライがあがった時に走者が打球とチアリーダーのスコートを確認すること。捕球後は痴漢しに行くことができる』
教師のコメント
落ち着いて下さい。正しい知識といやらしい願望が混ざっています。
霧島翔子の答え
『フライがあがった時に
教師のコメント
霧島さんも落ち着いて下さい。と、言いますか色々とツッコミどころが多すぎてどれからツッコむべきかわかりません。
坂本雄二のコメント
と言うか、翔子は自重しろ!?てか、それはお前の願望なのか!?
問2.ヒットエンドランとは、どのような連携でしょうか?
吉井明久の答え
『ピッチャーがボールを投げると同時に走者が次の塁に走って、バッターもボールを打つ連携のこと』
教師のコメント
その通りです。ちなみに余談ですがヒットエンドランは、打者の打撃方法や走者の走行タイミングなどでいくつかの応用戦術があります。バントエンドランやバスターエンドランなどがいい例ですかね。
姫路瑞希の答え
『当て逃げ』
教師のコメント
えっと、確かに hit‐and‐run accident で当て逃げ事故と言う意味ですが、野球用語としての問題ですので不正解ですね。
月野造のコメント
・・・・・・姫路さんや高橋先生レベルの打球の威力は当て逃げ・ひき逃げレベルですし、ある意味合っているかもですがね・・・・・・
~解答終了後~
「うぅ・・・・・・難しいですね。野球のルールって」
「ふふっ♪大丈夫ですよ姫路さん。誰でも最初は初心者ですし、わからなくて当然ですよ」
「でも・・・・・・もうすぐ召喚野球大会があるのに、私何もわからなくて・・・・・・」
「あ、でしたら、とりあえず姫路さんは放課後にでもアキさんやゆーさんたちに野球のルールを教わってはいかがでしょうか?」
「え?明久君たちに・・・・・・ですか?」
☆
体育祭兼召喚野球大会前のとある放課後の教室にて――――
ダートジャンプ用BMXのトリックを行う方法「―――と言うわけで、数日後に召喚野球大会を控えているわけなんだが・・・・・・野球をほとんど知らない姫路に、簡単に野球のルールについて説明をしようと思う」
「あはは♪僕らが教えるなんて、いつもとは逆の立場だね」
「よ、宜しくお願いします」
先日のちょっとした野球に関する問題で、野球の事があまり理解出来ていないようであった瑞希の為に、明久と雄二が一通りの野球についての知識を教えることとなった。
「今回は・・・・・・そうだな。"ボーク"などの反則行為についてだ」
「ボーク、ですか?」
「そうだ。これはピッチャーの投球や送球における反則行為の一つなんだがな」
「反則ですか。具体的にはどういうものなんですか?」
「その辺は明久、説明を頼む。俺は要点を黒板に書いておく」
「オッケー。ふむ、例えばそうだね・・・・・・プレートに足を着けた状態で一塁に牽制球を投げるフリをして、実際には投げないとかだね。まあ、言ってしまえばピッチャーが走者―――じゃなくて、塁に出ている人を騙して盗塁とかヒットエンドランを阻むことが無いようにってルールなんだよ」
「・・・・・・?当て逃げを防止するんですか?」
「OK、とりあえず瑞希はヒットエンドランを当て逃げと結びつけないようにする事から始めようか?」
雄二は黒板に要点を書きつつ、明久は具体的な説明を瑞希にする。こういうことがちゃんと出来るなら、普段の授業も真面目に受ければいいのに・・・・・・と、思うのは野暮なのだろうか?
「「それは全力で断る!」」
「???えっと・・・・・・二人とも、突然どうしたんですか?」
「ああ、すまん。気にしないでくれ。ボークに関しては明久の言った通りの事だな。他に例を上げるならつま先を打者方向に向けたままでの牽制球とか」
「そうそう、あとは二段モーションって言って―――投球動作中に少しでも全身の動きが止まったりすると、これも反則になるんだよ」
「ええと、つま先を打者に向けての牽制球に、二段モーション・・・・・・」
瑞希が一生懸命ノートにメモを取る。流石に真面目な子なだけあって、真剣に理解しようと頑張っているようだ。
「姫路、そう深く考えなくていいさ。要するにピッチャーが球を投げる時には、走者やバッターに対して【紛らわしい・思わせぶり】と取られるような行動をしちゃいけないってことだ」
「そゆこと。バッターが『来る!』と思っていたら牽制球だったり、『来ない』と思っていたらいきなり投げてこられたり、なんてされたら大変でしょ?簡単に言っちゃえばその防止のためのルールなんだよ」
そんな瑞希の授業態度に苦笑いをしながら、明久と雄二は朗らかに説明する。その二人の説明を受け、瑞希はポンッ!と手を叩き――――
「なるほど・・・・・・紛らわしい事・思わせぶりな行動はボーク、ですね!」
「ああ。大まかにはそう考えてもらって構わない」
「じゃあ、あれもボーク何ですか?」
「「???あれ?」」
と、突然に瑞希が指差した先には―――
『全く・・・・・・小暮さん?自分を弄ってそんなに楽しいんですか・・・・・・?』
『ふふふっ♪そんなことはありませんが・・・・・・確かに月野君と一緒にいると楽しいってことは否定できませんね♪月野君は私と一緒にいるのは嫌でしょうか?』
『小暮さんと一緒にいて楽しいのは自分も勿論否定しませんが、弄られるのは男のプライドが・・・・・・』
『ああ、なるほど♪月野君は色々と悩み事が多いですね~♪ですが悩める乙女は素敵でしてよ?』
『そうですね、悩み多き人生ですもの。ちなみに今現在の悩みは、今自分の隣にいらっしゃる方に全力で弄られることですかね!?』
『もう♪そんなに褒めないでくださいな♪照れちゃいますわ』
『褒めてませんってばっ!誰が乙女ですか、誰が!』
「「・・・・・・・・・・・・?」」
―――何やら良くわからない会話をしている造と3-Aの智将:小暮葵が並んで廊下を歩いている光景が。
「・・・・・・えっと、瑞希?"あれ"って造と着物先輩のこと?」
「はい。さっきのお二人ってボークでしょう?」
「・・・・・・すまん姫路。どう言う意味かさっぱりなんだが?」
「え?だってボークって"紛らわしい事・思わせぶりな行動"の事何ですよね?月野君は"性別が紛らわしく"て、あの先輩は月野君に"思わせぶりな行動"をしているじゃないですか?」
「「ボークはそう言う意味じゃ・・・・・・いや、合っているのか・・・・・・?」」
・・・・・・何故か野球の話から哲学的な(?)話へと、大幅に話が逸れたにも拘らず明久と雄二は妙に納得してしまったとか。個人的な意見としては、造と小暮さんは存在自体がボーク且つ、反則な気がするがね?
☆
これまたとある放課後――――
「高橋先生。頼まれていた資料を持ってきました」
「ありがとうございます姫路さん」
「いいえ。えっと、ここに置いておきますね」
ここは他の先生方が所用で出ており、高橋先生しか教師がいない職員室。瑞希が机の上に持ってきた資料を置いていると、不意に彼女の耳にラジオの音が入ってくる。
《大日本高校、1点を追う状況でバッターは山根。ここまでの打率は―――》
どのように多くの数字オリンピックリングの「あれ?高校野球のラジオですか?」
「はい。どうにも私は野球に疎いようなので、勉強も兼ねて聞いていました」
と、瑞希に貰った資料に目を通しながらも高橋先生は苦笑い混じりにそう言ってくる。
「勉強ですか。高橋先生は勤勉ですね」
「いえいえ。わからないことは勉強しておく必要がありますから」
「そうですよね。私も実は明久君たちに教わっているんですよ♪私も頑張らないと・・・・・・」
「そうなんですか♪では一緒に頑張りましょう。ね、姫路さん♪」
「はい!頑張ります!」
そう言って笑い合う二人。生徒と先生という立場ではあるが、何だかんだでこの二人は気が合うのかもしれない。立ち位置も性格もかなり似ているし。
「あ。わからないことと言えば。野球に関係あるかどうかはわからないんですけど・・・・・・」
「?なんでしょうか姫路さん?」
「先生はスクイズって何のことだかご存じないですか?ここに来る前に、明久君と坂本君がそんな話をしていたのが気になって。本当は自分で調べた方が一番良いことですけど・・・・・・」
「いいえ。気になったことを忘れないうちに確認するのも大事なことです。姫路さんは立派ですよ♪」
「あ、ありがとうございます♪」
「そうですね。スクイズ、ですか・・・・・・」
※スクイズとは―――野球で三塁走者と打者が示し合わせて、打者がバントをすることで走者を本塁に迎える連携プレーのこと
「あまり私も詳しくはありませんが・・・・・・響きから察するに―――『スクール水着』の略称か何かだと思います」
「あ、なるほど。そうなんですか。ありがとうございます」
・・・・・・・・・・・・ツッコミが・・・・・・いないだと?この場に誰か一人でも常識人の先生がいれば絶対にツッコまれていたであろう間違った知識を、何の違和感もなく二人が頭の中に入れ込んでいると・・・・・・ラジオから解説の声が聞こえてくる。
《大日本高校、ここはきっちりスクイズを決めてきましたね》
《そうですね。7番・山根権三郎くん、見事なスクイズでした》
「「・・・・・・・・・・・・」」
「先生。高校野球って、スクール水着を着てやるものなんですか?」
「もしかしたら、暑さの厳しい地域の風習なのかもしれません」
「そ、そうですよね・・・・・・(明久君のスクイズ・・・・・・)」
「そ、そうでしょう・・・・・・(造くんのスクイズ・・・・・・)」
やはり完全に違う意味でスクイズの事を認識してしまった高橋先生と瑞希。そしてその最悪のタイミングで――――
「失礼しまーす!あ、瑞希いたいた。今日の野球の授業は外でやるよー」
「失礼しますです。高橋先生。何か良くわかりませんが、日高先生が呼んでましたよ」
――――能天気にニコニコと笑いながら、この状況も自分たちがピンチだと言うことすらも理解していない最高の
「「・・・・・・・・・・・・」」
そして高橋先生と瑞希はお互い顔を見合わせると・・・・・・
「あ、明久君!スクイズしてくれませんか!?」
「つ、造くん!造くんもスクイズしてください!?」
「「・・・・・・・・・・・・へ?」」
「「スクイズです!スクイズをお願いします!!」」
「「???(スクイズって、お願いされるものなのかな?)」」
いきなりそんなことを言われて、造と明久は頭にクエスチョンマークを浮かべ首を傾げる。
「えっと・・・・・・よくわかりませんが、つまりスクイズプレーをすればいいんですよね?」
「スク水プレイ!?は、はいっ!恐らくそれです!」
「んー・・・・・・まあ、どの道今日は簡単に試合の流れを教えようと思ってたし、僕でいいならやるよ瑞希?」
「本当ですか!?あ、ありがとうございます明久君!では――――」
と、高橋先生と瑞希は嬉しそうに鞄の中を探ると――――
「「――――では、早速お願いします!これに着替えてくださいっ!さあ!」」
「「・・・・・・・・・・・・ゑ?」」
――――その日、涙目になりながらも必死で逃げる造と明久の後ろを、スクール水着(女子用)を片手に全力疾走で追いかける高橋先生と瑞希の姿が見られたとか。どうしてピンポイントに高橋先生&瑞希はスク水なんか持っていたか・・・・・・それはこの二人にしかわからない永遠の謎だろう。
0 コメント:
コメントを投稿