しかしその一方で、レッドソックスの地元・ボストンの人々は現在の松坂をどう捉えているのだろうか？　先発の一角としての復帰に待望論は出ているのか？

　ボストンの何人かのレッドソックスファンにそれらの問いをぶつけると、答えは総じて松坂に好意的とは言えないものだった。

２００９年以降はケガを繰り返し、過去３年で計１６勝と低調な数字に終わった"Ｄｉｃｅ−Ｋ"への期待度は、現時点でかなり低いようである。

「大多数のファンはもうダイスケには飽き飽きしてしまっているのが現実だ。ここ数年は好成績が残せなかったし、昨季に故障が明るみに出た後、チームフロントと意思の疎通が図れていないかのように地元メディアに報道されたのも大きかった。

ここまで来たら獲得は失敗だったと考えられて仕方ないだろう」
　熱狂的レッドソックスファンを自称する人の中では、こういった意見が代表的。

それ以外にも「彼の存在はファンの心から消えてしまっている」、「今回の失敗によって、レッドソックスが今後日本人選手の獲得をためらうようにならないことを願う」といったように、
松坂をすでに"過去の選手"とみなしているような手厳しいコメントもあった。

　ここまで評価が下降したのには、入団時の異常なまでの期待の反動も大きかったに違いない。

ポスティングと年俸を合わせて１億３００万ドル（当時の円換算で約１２０億円）が費やされ、松坂は今季のダルビッシュ有をも上回るほどの騒ぎの中でメジャー入りを果たした。

>>2以降につづく

一部記事抜粋